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少年野球コラム|30年後に高校野球はできなくなる?!

記念すべき第100回を迎える夏の高校野球甲子園大会ですが、高校野球も決して永遠ではないかもしれません。中学校軟式野球部員の減少が止まらないのです。

2001年度:32万1,629人→2009年度:30万7,053人
→2017年度は:17万4,343人

【野球人口減少】30年後には高校球児が極少で甲子園大会も危うい!?

この数値は、中学校軟式野球部員になります。中学校の野球部がある学校も少なくなってきました。金足農の吉田輝星選手も中学校の軟式野球部出身です。しかし、実際に多くの中学校で野球部が廃部になるケースが多くなってきています。
中学校の野球部以外でも、硬式野球のクラブチームである、シニアリトルリーグとボーイズリーグの数をみると、
・リトルリーグ/チーム数:555/部員数:20,072人
・ボーイズリーグ/チーム数:605、部員数:20,000人
そのほかに、ポニーリーグやヤングリーグなどを合わせたとしても、野球人口は、20年前と比較して40%以上、15万人も減少している計算になります。

「野球離れ」でも高まる少年硬式野球への期待 | 日本野球の今そこにある危機

若年世代での「野球離れ」が進んでいることは、このコラムでたびたび紹介してきた。とりわけ顕著なのは、中学校の軟式野球だ。日本中学校体育連盟(中体連)が公表しているデータでは、2017年の中学校の軟式野球部…

この野球人口の減少は、少年野球でも顕著に表れていて、シニアリトルリーグやポニーリーグにおいても、部員数の減少は大きな問題となっています。この記事にもあるように、シニアリーグやポニーリーグでも「やっと1チームできる部員数」というチームも少なくありません。

上を目指す環境にも大きな変化が。

野球をやっていて、一昔前は、甲子園の常連高校に野球で推薦入学するのは、中学野球では全国大会出場やシニアリーグやボーイズリーグで活躍している選手が、「一定の野球のレベルがあれば」推薦入学で入学できましたが、今の時代は、「一定の野球のレベル」とともに「一定の学業の成績」が問われるようになってきています。「野球だけやっていればいい」という時代は終わっています。
こうした進学環境の変化もあり、「野球と学業の両立」という大きな壁が立ちはだかります。
「野球が好きだったら、勉強もがんばれるはず」。これは、確かにそうだと思います。
でも、親の立場からみると、「毎日夜遅くまで野球の練習で、勉強もやらないといけない」と思うと、どうしても、子供の将来を考えると学業優先にしたくなる気持ちになっていまします。
こうした学校、部活(クラブチーム)、家庭という3つの環境の中で、いろんな悩みが生じていることからも、「中学生での野球離れ」が影響しているのではないでしょうか。

自分の子供を「プロ野球選手に」。でも、情報が不足している

ある程度野球ができる子供をもった親なら一度は考える「自分の子供をプロ野球選手に」。
これは、少年野球の段階では影響が少ないのですが、中学生の野球ともなると、その進学先や入団したクラブチーム、さらには中学校の野球部の顧問などが、どれだけ高校などの進学先とコンタクトをとれるかによります。要は、強豪校に「どれだけ自分の子供をみてくれる環境」をつくれるかに、子供はかかっています。「いい指導者が来年からやってくる」とか「〇〇チームのあの子は〇〇高校に入部するらしい」といった情報も大きく影響してきます。
中学生の3年間は、野球においては子供の将来にとってとても大事な3年間です。そのなかで、親がどれだけ野球に関する情報に関心があるかが、野球では子供の将来を大きく左右します。

公立中学校における指導者の弊害

公立の中学校の場合、いい指導者がいても「数年後に転勤」ということがあります。だいたい3~5年の間に必ず転勤という移動があります。そうなると、「いい指導者がいたから入部させたけど、自分の子供の卒業時には、他の中学校にいってしまう」ということがあります。中学野球では、部活での顧問の先生によって左右されるというだれも責められない実情もあります。
「せっかく一生懸命やってくれていた先生だったけど、そのあとの先生はやる気はあるけど野球は全くの素人だった。」という話もよく聞きます。そして、公立の中学校であれば、そうした情報はいち早く広がります。そうすると、数年前は強豪中学校だったけど、いまでは部員数がやっとのチームに、数年で変貌してしまいます。
これは、だれが悪いとかいうことではありませんが、野球好きの子供にとっては、その後の野球人生にとっては大きな問題だと思います。(中学校の先生も大変な環境であることは承知していますが、その問題はここでは省略します。)
こうした環境も、中学生の野球離れを加速させている一因であると思います。親のひいき目でみるのではなく、自分の子供が本当に野球が好きで才能があると思うのであれば、中学校野球の状況を親が把握し、きちんと情報を集めて欲しいです。

自分の子供の野球を考えるのなら、こうした様々な情報を、小学生の時期からきちんと収集することが親の役割だと思います。


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