夏の甲子園大会で台湾代表を準優勝に導いた監督、現地の野球殿堂入り|高校野球

戦前の台湾代表チームの監督、近藤兵太郎の物語を映画化した「KANO～1931海の向こうの甲子園～」は、日本と台湾の歴史や文化を繋ぐ作品として高く評価されています。主演を務めた永瀬正敏さんは、近藤の人柄や指導力に深く感銘を受けました。永瀬さんは愛媛県庁を訪れ、近藤の出身地である松山市と嘉義市の交流について語りました。
　近藤は松山商業高校の野球部監督として活躍した後、台湾に渡り、嘉義農林学校で教鞭をとりました。1931年には、日本人と台湾人の混成チームを率いて甲子園大会に出場し、見事準優勝を果たしました。この偉業は台湾では今も語り継がれており、近藤は今年1月に外国人として初めて台湾の野球殿堂入りしました。
　永瀬さんは映画で近藤を演じるにあたって、彼の生涯や思想について研究しました。永瀬さんは「近藤は野球だけでなく、教育や人間関係にも深い洞察力を持っていた。彼は日本人と台湾人の違いを認めながらも、共通点や尊敬点を見出していった。その姿勢は今も大切だと思う」と話しました。
　永瀬さんは2017年から愛媛・伊予観光大使として、愛媛県の魅力を広めています。永瀬さんは「愛媛県と嘉義市は野球を通じて友好関係を築いている。映画もその一助になればうれしい」と述べました。永瀬さんは今後も両地域の交流に積極的に参加していきたいという意欲を示しました。