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少年野球コラム|「大谷翔平」右ひじ手術は必要か。

何故メジャーへ行くと日本人投手は肘を故障するのか?(大谷翔平、右ひじトミー・ジョン手術へ)

今年メジャーリーグに挑戦した大谷翔平投手が右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)をすることが決まったそうです。 大谷は、まだメジャーのマウンドで数か月しか投げていないのに…早くも故障? これちょっとおかしいなぁ。 違和感ありまくりなので、真面目に調べてみました。

右ひじは子供のころの「投げすぎ」が原因か?

大谷翔平選手が、右肘のじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を、シーズン終了の翌日に受け無事に終了しました。2020年まで投手はできず、早くて1年後に打者として復帰できるのでは、といわれています。
この記事にもあるように、子供の時の投げすぎが原因なのではないかとよくいわれています。だから、最近の少年野球でも「投げすぎ」を懸念する親も多くなってきています。

「球数制限」しているアメリカで手術してのは561人。
日本球界で手術しているのは76人。約1/4である。

ここで、独自で調べた結果、日本での子供のころの投げすぎや高校野球での連投などが要因であると言われていますが、実際にトミー・ジョン手術をいるのは76名。メジャー選手は、561名となっています。この結果をみて、どうなのでしょうか?
この結果だけみると、日本で言われている子供のころの投げすぎだけが原因ではないと思います。記事にもあるようにアメリカ野球での「中4日でのローテーション」も大きな要因ではないかと思います。
ダルビッシュ有選手がいっているように

「中4日は絶対に短い。投球数はほとんど関係ないです。120球、140球投げても、中6日あれば靭帯の炎症も全部クリーンにとれる」

といっています。肘への負担は、この登板間隔が最も大きな要因ではないかと個人的には思っています。
確かに、昔の子供は、毎日のように野球をやっていましたが、今は野球をやる場所すらありません。
シニアリーグやボーイズリーグでは、1週間の週末だけの練習があるだけです。
それでも、子供時代の試合での投げすぎが原因なのでしょうか。

日々の練習での「投げすぎ」が本当の要因では。

実際に少年野球指導者をしていると、週末だけしか指導できません。中学野球では、毎日放課後に練習となります。シニアリーグやボーイズリーグでも週末だけの指導です。

だから、平日による「自主練習」の投球数は大きな課題であると思います。
昔ながらの方法で、タオルをもってのシャドーピッチングがありますが、平日は実際にボールは投げないで、シャドーピッチングなどのフォームチェック程度にすべきではないかと思います。この平日の「自主練習」による「投げすぎ」が、「子供のころの投げすぎ」につながると思うので、親の方も注意してみてもらえるとありがたいです。少年野球の指導者も、シニアリーグやボーイズリーグの指導者も週末しかみられないので。
また、1試合での投げすぎよりも、甲子園のような連投による肘の消耗も大きな問題ですが、その前に、日々の練習での「投げすぎ」をきっちりケアする1週間、1か月での「球数制限」が必要だと思います。

日本人文化にある
「肘や肩にメスを入れる」ことへの嫌悪感

昔から、日本人は「肩や肘にメスを入れる」=「もう野球ができなくなる」と思っている人が多いです。村田兆治選手や荒木大輔選手のときは、手術をしたのに投げられているといった視点で観戦していたことを思い出します。
この「肩や肘にメスを入れる」=「もう野球ができなくなる」という考えは、日本の野球の根底にあると思います。前述した日本とアメリカの文化の違いも、トミー・ジョン手術が少ない要因であると思います。

子供のときに「肘が痛くなったら」どうすべきか

小学生や中学生で、子供が肘が痛いとなったらどうすべきなのでしょうか?
実は、私の子供も中学生の時に肘の手術をしました。この経験から言わせてもらいますが、
まずは、「肘の外側が痛いのか、内側がいたいのか」、「肩の前が痛いのか、後ろがいたいのか」が最初のポイントであると思います。
「肘の内側」や「肩の前」の痛みであれば、ちょっとした痛みなら1週間くらい安静にしていればある程度痛みは回復します。気になるようであれば、1か月間、「本気で投げないように」すれば大丈夫だと思います。
でも、「肘の外側」と「肩の後ろ」の痛みであれば、すぐに形成外科に行ってほしいと思います。
私も当時はよくわからず、私の子供もそうだったのですが、「肘の外側」を「肘の内側」の痛みの違いがわからなかったのですが、専門の医者さんに聞いたところ、

「肘の内側も外側も同じだと思っている人が多いのですが、肘の外側はいろんな危険性をもっています。整骨院とかだと、肘の外側の痛みも内側の痛みも同じように、何か月か安静にといいますが、肘の外側は危険性をもっています。肩も同じです。すぐに専門の整形外科にきてほしいです。」

その結果、手術しなくても日常生活は問題ないが、野球はできなくなるという診断。
うちの子供は、すぐに手術となりました。

子供のころに手術をするべきか

 これは、断言できますが、医者が手術を進めるのであれば、手術はすべきと考えます。(野球を続ける意志があることが前提ですが)できるだけ早い時期にというのが、私の考えです。その時期というのも、例えば小学生の高学年であれば、中学野球でも2年生くらいからおもいっきり野球ができます。中学1年生でも中学3年生からはおもいっきり野球ができます。ただ高校野球については、その先の大学野球や社会人野球、そしてプロ野球がみえるのであれば、手術すべきですが、高校野球はその先の野球人生を決める大事な時期なので、判断は難しいです。
 ただ、これは理想論であることも充分にわかっています。
 例えば、強豪のシニアリーグ(中学野球)に入団したときに、ひじの手術となると、そのほかの子供との差がつくというのではなく、子供がその状況をきちんと把握して強い意志をもって練習できるかどうか。また、その指導者が、「肩や肘にメスを入れる」=「もう野球ができなくなる」という嫌悪感をもっていたら、シニアで試合に出る機会がへってしまうと思います。
 だから、万が一、子供が肘が痛いといったら、どういう状況なのか、そして、中学野球をやっても、そうした手術に関して理解ある指導者のいるチームにいれるべきです。

今の時代は、医学の進歩により肘や肩にメスをいれても、1年間のリハビリ程度で野球ができるようになります。村田兆治選手は3年。荒木大輔選手は4年かかっていたことを考えると驚異的な進歩です。
大谷翔平選手でも「1年半後には二刀流で野球ができる」と明確に言われています。
子供の野球人生で、3年間とか4年間はさすがに手術はできないと思いますが、1年程度であればこの先の野球人生を考えると、手術すべきと思います。私の子供も、強豪高校でレギュラーで野球をやりとげられまいた。
 だから、肘や肩の痛いといっている子供をもっている親は、子供の状況を把握して、病院で手術が必要であれば、子供が手術をすると判断したのであれば、安心して背中を押してあげてください。一番不安なのは子供なのですから。

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